街くらべ
データ分析

東京近郊で家賃が安い街はどこか——神奈川・埼玉・千葉の市区町村を1R家賃で並べる

神奈川・埼玉・千葉の人口10万人以上の89市区町村を1R(ワンルーム)平均家賃で並べると、最も安いのは 野田市(千葉県)の月47,279円でした。 東京23区の中央値91,320円より月44,041円、年間で528,492円安い水準です。 県別の中央値は千葉県61,469円、埼玉県63,289円、神奈川県68,806円で、千葉県が最も低くなっています。 ただし「家賃が安い」と「所得に対して家賃が軽い」は同じではありません。その違いも実データで確かめます。

比べ方——政令指定都市は「区」で数える

「東京近郊で家賃が安い街」を探すとき、横浜市やさいたま市を1つの数字で語ってしまうと実態を見誤ります。 同じ市の中でも区によって家賃がかなり違うからです(後の節で実測します)。そこでこの記事の家賃の一覧では、 政令指定都市(さいたま市・千葉市・横浜市・川崎市・相模原市)は市全体の行を外し、区ごとに1件として数えました。 市全体と区の両方を入れると、同じ街を二重に数えてしまうためです。

対象は神奈川・埼玉・千葉の人口10万人以上の市と政令市の区のうち、1R家賃のデータがある89件 (うち政令市の区が42件)です。人口の下限は区にも同じように当てたので、 人口が10万人に届かないさいたま市西区・さいたま市桜区は一覧に入っていません。

比較の基準にするのは、東京23区の1R家賃の中央値91,320円です。 23区の中の区ごとの差は東京23区の家賃の記事で詳しく扱っています。 なお、家賃負担率を見る節だけは、政令市の区に所得データが無いため「市単位」に切り替えます。

1R家賃が安い順の一覧(89市区町村)

右端の列は、23区の中央値と比べて月にいくら安いか(−)、高いか(+)です。 緑の網かけは、23区で最も家賃が安い足立区(67,137円)よりも安い街です。

神奈川・埼玉・千葉の1R平均家賃(安い順・人口10万人以上・政令市は区単位)
順位 市区町村 1R平均家賃 23区中央値との差
1 野田市 千葉県 47,279円 −44,041円
2 加須市 埼玉県 49,163円 −42,157円
3 市原市 千葉県 50,269円 −41,051円
4 狭山市 埼玉県 50,538円 −40,782円
5 熊谷市 埼玉県 50,664円 −40,656円
6 成田市 千葉県 50,757円 −40,563円
7 秦野市 神奈川県 50,785円 −40,535円
8 深谷市 埼玉県 50,969円 −40,351円
9 木更津市 千葉県 50,972円 −40,348円
10 鴻巣市 埼玉県 51,362円 −39,958円
11 久喜市 埼玉県 52,715円 −38,605円
12 千葉市若葉区 千葉県 52,977円 −38,343円
13 千葉市稲毛区 千葉県 53,286円 −38,034円
14 入間市 埼玉県 53,899円 −37,421円
15 さいたま市岩槻区 埼玉県 53,946円 −37,374円
16 春日部市 埼玉県 55,386円 −35,934円
17 上尾市 埼玉県 55,590円 −35,730円
18 横須賀市 神奈川県 55,685円 −35,635円
19 佐倉市 千葉県 55,759円 −35,561円
20 我孫子市 千葉県 56,182円 −35,138円
21 座間市 神奈川県 56,394円 −34,926円
22 小田原市 神奈川県 56,699円 −34,621円
23 厚木市 神奈川県 56,941円 −34,379円
24 相模原市中央区 神奈川県 57,073円 −34,247円
25 平塚市 神奈川県 57,404円 −33,916円
26 八千代市 千葉県 58,313円 −33,007円
27 川越市 埼玉県 59,156円 −32,164円
28 千葉市緑区 千葉県 59,423円 −31,897円
29 さいたま市見沼区 埼玉県 59,834円 −31,486円
30 横浜市瀬谷区 神奈川県 60,622円 −30,698円
31 鎌ケ谷市 千葉県 61,150円 −30,170円
32 三郷市 埼玉県 61,557円 −29,763円
33 相模原市緑区 神奈川県 61,669円 −29,651円
34 千葉市中央区 千葉県 61,787円 −29,533円
35 松戸市 千葉県 61,794円 −29,526円
36 横浜市南区 神奈川県 61,888円 −29,432円
37 習志野市 千葉県 62,737円 −28,583円
38 越谷市 埼玉県 63,059円 −28,261円
39 千葉市花見川区 千葉県 63,108円 −28,212円
40 ふじみ野市 埼玉県 63,518円 −27,802円
41 富士見市 埼玉県 63,527円 −27,793円
42 所沢市 埼玉県 63,971円 −27,349円
43 大和市 神奈川県 64,241円 −27,079円
44 横浜市旭区 神奈川県 64,402円 −26,918円
45 千葉市美浜区 千葉県 64,627円 −26,693円
46 新座市 埼玉県 64,759円 −26,561円
47 横浜市磯子区 神奈川県 65,422円 −25,898円
48 草加市 埼玉県 66,192円 −25,128円
49 柏市 千葉県 66,391円 −24,929円
50 横浜市保土ケ谷区 神奈川県 66,498円 −24,822円
51 横浜市金沢区 神奈川県 66,626円 −24,694円
52 さいたま市北区 埼玉県 66,823円 −24,497円
53 印西市 千葉県 66,980円 −24,340円
54 相模原市南区 神奈川県 66,989円 −24,331円
55 横浜市港南区 神奈川県 67,319円 −24,001円
56 船橋市 千葉県 68,008円 −23,312円
57 横浜市泉区 神奈川県 68,411円 −22,909円
58 海老名市 神奈川県 68,725円 −22,595円
59 横浜市戸塚区 神奈川県 68,806円 −22,514円
60 茅ヶ崎市 神奈川県 69,162円 −22,158円
61 横浜市緑区 神奈川県 69,673円 −21,647円
62 横浜市栄区 神奈川県 69,933円 −21,387円
63 さいたま市緑区 埼玉県 70,819円 −20,501円
64 藤沢市 神奈川県 71,074円 −20,246円
65 川口市 埼玉県 71,147円 −20,173円
66 さいたま市中央区 埼玉県 72,003円 −19,317円
67 市川市 千葉県 72,879円 −18,441円
68 横浜市鶴見区 神奈川県 73,034円 −18,286円
69 川崎市川崎区 神奈川県 73,248円 −18,072円
70 戸田市 埼玉県 73,767円 −17,553円
71 流山市 千葉県 73,830円 −17,490円
72 横浜市神奈川区 神奈川県 73,952円 −17,368円
73 川崎市多摩区 神奈川県 74,116円 −17,204円
74 さいたま市大宮区 埼玉県 75,976円 −15,344円
75 さいたま市南区 埼玉県 76,086円 −15,234円
76 さいたま市浦和区 埼玉県 76,127円 −15,193円
77 朝霞市 埼玉県 76,239円 −15,081円
78 川崎市幸区 神奈川県 76,638円 −14,682円
79 川崎市宮前区 神奈川県 76,952円 −14,368円
80 浦安市 千葉県 78,055円 −13,265円
81 川崎市麻生区 神奈川県 78,390円 −12,930円
82 川崎市高津区 神奈川県 81,598円 −9,722円
83 横浜市西区 神奈川県 82,471円 −8,849円
84 鎌倉市 神奈川県 83,183円 −8,137円
85 横浜市港北区 神奈川県 85,474円 −5,846円
86 横浜市青葉区 神奈川県 88,364円 −2,956円
87 川崎市中原区 神奈川県 89,783円 −1,537円
88 横浜市中区 神奈川県 91,826円 +506円
89 横浜市都筑区 神奈川県 102,048円 +10,728円

最も安い野田市の47,279円から、最も高い 横浜市都筑区の102,048円まで、 近郊3県の中だけでも月54,769円の幅があります。89件の中央値は64,627円です。 「県外に出れば安い」と一括りにはできず、どこへ出るかで家賃は大きく変わります。

23区で最も安い足立区より安い街は、89件のうち54件 (61%)でした。 裏を返すと、残りの35件は足立区と同じか、それより高い水準です。家賃を下げるために県境を越えるなら、行き先を一覧で確かめてからにしないと、23区内で探したほうが安かったということが起こりえます。

一方で、23区の中央値(91,320円)を上回る街も2件あります(横浜市中区・横浜市都筑区)。近郊でも、23区の「真ん中」より高い街があるということです。

県別に見る:最安・中央値と、23区との差額

同じ一覧を県ごとに分け、最も安い街・中央値・最も高い街と、23区中央値との差額を出しました。 差額は「23区の中央値の街から、その県の中央値の街に移ると、1Rの家賃が月・年でいくら下がるか」の目安です。

県別の1R平均家賃(中央値の安い順)と23区中央値(91,320円)との差
県(件数) 最も安い街 中央値 最も高い街 23区との差(月 / 年)
千葉県(22) 野田市 47,279円 61,469円 浦安市 78,055円 −29,852円 / −35.8万円
埼玉県(28) 加須市 49,163円 63,289円 朝霞市 76,239円 −28,032円 / −33.6万円
神奈川県(39) 秦野市 50,785円 68,806円 横浜市都筑区 102,048円 −22,514円 / −27万円

件数には政令市の区を含みます。差の「−」は23区中央値より安いことを表します。

中央値が最も低いのは千葉県の61,469円で、23区中央値との差は 月29,852円、年間にすると約36万円です。 最も高い神奈川県の中央値(68,806円)とは月7,338円の差があります。 近郊3県の中でも、県によって「ふつうの街」の家賃水準ははっきり違います。

ただ、神奈川県の39件のうち28件は政令市の区です。 区を除いた11市だけで中央値を取ると57,404円で、県全体の中央値より月11,402円下がります。県の中央値を押し上げているのは政令市の区だということです。 「神奈川県は高い」ではなく「神奈川県の中でもどこか」で見るほうが実用的です。 実際、神奈川県で最も安い秦野市(50,785円)は、千葉県の中央値より安い水準です。

年額の差は、引越しにかかる費用(敷金・礼金・仲介手数料・引越し代など)と並べると判断しやすくなります。 費用の総額を月の家賃差で割れば、何か月住めば元が取れるかが出ます。初期費用の内訳は 賃貸の初期費用の記事で整理しています。

同じ政令市でも、区によって家賃は別の街

政令市を区単位で数えた理由を、実データで確かめておきます。一覧に入った区だけで、市ごとの最安区と最高区を並べました。

政令指定都市の区ごとの1R家賃の幅(区の差が大きい順)
市(区の数) 最も安い区 最も高い区 差(月)
横浜市(18) 瀬谷区 60,622円 都筑区 102,048円 41,426円
さいたま市(8) 岩槻区 53,946円 浦和区 76,127円 22,181円
川崎市(7) 川崎区 73,248円 中原区 89,783円 16,535円
千葉市(6) 若葉区 52,977円 美浜区 64,627円 11,650円
相模原市(3) 中央区 57,073円 南区 66,989円 9,916円

差が最も大きいのは横浜市で、 横浜市瀬谷区(60,622円)と 横浜市都筑区(102,048円)の間に 月41,426円の開きがあります。 これは、近郊3県の最安の街と中央値の街の差(月17,348円)よりも大きい幅です。市の名前で「高い・安い」を決めず、区まで降りて比べる意味があります。

市全体の平均だけを見ると、安い区の数字は高い区に引き上げられ、高い区の数字は安い区に引き下げられます。 横浜市の市全体の1R家賃は75,410円ですが、この数字に一致する区があるわけではありません。 政令市を候補にするなら、市ではなく区のページで数字を確かめてください。

家賃負担率で並べ直すと、順位はどう変わるか

家賃が安い街は、住民の所得も低めであることが少なくありません。そこで、 家賃負担率(1Rの年間家賃 ÷ その街の平均課税対象所得)でも並べ直しました。 「その街の平均的な所得の人が、その街の平均的な1Rを借りると、所得の何%になるか」という数字です。

政令市の区には所得データが無いため、この節は市単位です。政令市は市全体の行を使い、所得データの無い行は外しました (相模原市は所得データが無いため対象外)。 対象は51市で、負担率の中央値は19.6%です。 右端の「家賃順位」は、同じ51市の中で1R家賃が安い順に数えた順位です。

家賃負担率が軽い順(神奈川・埼玉・千葉、人口10万人以上・市単位・51市)
順位 市 1R家賃 / 平均所得 負担率 家賃順位
1 木更津市 50,972円 / 358.6万円 17.1% 9位
2 野田市 47,279円 / 320.3万円 17.7% 1位
3 市原市 50,269円 / 340.4万円 17.7% 3位
4 成田市 50,757円 / 343.7万円 17.7% 6位
5 熊谷市 50,664円 / 340.2万円 17.9% 5位
6 千葉市 市全体 59,827円 / 397.7万円 18.1% 24位
7 我孫子市 56,182円 / 373.2万円 18.1% 17位
8 秦野市 50,785円 / 336万円 18.1% 7位
9 鴻巣市 51,362円 / 337.9万円 18.2% 10位
10 習志野市 62,737円 / 410万円 18.4% 28位
11 久喜市 52,715円 / 343.1万円 18.4% 11位
12 厚木市 56,941円 / 368.5万円 18.5% 20位
13 佐倉市 55,759円 / 360.7万円 18.5% 16位
14 狭山市 50,538円 / 326.2万円 18.6% 4位
15 八千代市 58,313円 / 374万円 18.7% 22位
16 上尾市 55,590円 / 356.2万円 18.7% 14位
17 加須市 49,163円 / 313.9万円 18.8% 2位
18 深谷市 50,969円 / 322.5万円 19.0% 8位
19 鎌倉市 83,183円 / 519.2万円 19.2% 51位
20 入間市 53,899円 / 335万円 19.3% 12位
21 平塚市 57,404円 / 356.3万円 19.3% 21位
22 小田原市 56,699円 / 351.7万円 19.3% 19位
23 横須賀市 55,685円 / 344.1万円 19.4% 15位
24 浦安市 78,055円 / 481.1万円 19.5% 49位
25 さいたま市 市全体 68,926円 / 423.1万円 19.5% 40位
26 座間市 56,394円 / 344.9万円 19.6% 18位
27 松戸市 61,794円 / 372.9万円 19.9% 27位
28 川越市 59,156円 / 356.8万円 19.9% 23位
29 藤沢市 71,074円 / 428.4万円 19.9% 42位
30 印西市 66,980円 / 399.2万円 20.1% 37位
31 春日部市 55,386円 / 327.7万円 20.3% 13位
32 越谷市 63,059円 / 370.1万円 20.4% 29位
33 三郷市 61,557円 / 360.7万円 20.5% 26位
34 柏市 66,391円 / 387.8万円 20.5% 36位
35 ふじみ野市 63,518円 / 369.7万円 20.6% 30位
36 大和市 64,241円 / 373.5万円 20.6% 33位
37 茅ヶ崎市 69,162円 / 400.8万円 20.7% 41位
38 横浜市 市全体 75,410円 / 436.9万円 20.7% 47位
39 所沢市 63,971円 / 370.6万円 20.7% 32位
40 富士見市 63,527円 / 366.7万円 20.8% 31位
41 船橋市 68,008円 / 389万円 21.0% 38位
42 海老名市 68,725円 / 389.4万円 21.2% 39位
43 新座市 64,759円 / 366.1万円 21.2% 34位
44 市川市 72,879円 / 411.8万円 21.2% 44位
45 流山市 73,830円 / 415.4万円 21.3% 46位
46 鎌ケ谷市 61,150円 / 342.3万円 21.4% 25位
47 川崎市 市全体 79,297円 / 435.4万円 21.9% 50位
48 草加市 66,192円 / 361.8万円 22.0% 35位
49 戸田市 73,767円 / 390.8万円 22.7% 45位
50 川口市 71,147円 / 372万円 22.9% 43位
51 朝霞市 76,239円 / 394.8万円 23.2% 48位

51市で家賃の順位と負担率の順位の関係を測ると、順位相関はρ = 0.77(強い正の相関がある)でした。 家賃が安い街ほど負担率も軽いという関係はかなり強く、近郊3県では「安い街」はおおむね「軽い街」でもあります。それでも、次に挙げるような例外はあります。

たとえば家賃が最も安い野田市は、 負担率では51市中2位(17.7%)です。 負担率が最も軽いのは木更津市(17.1%、家賃順位9位)でした。

家賃は安い側なのに、負担率は重い側に入る街

1R家賃が51市の中央値(61,557円)より安いのに、負担率は中央値(19.6%)より重い街が 3市ありました。 川越市(1R 59,156円・負担率19.9%)、春日部市(1R 55,386円・負担率20.3%)、鎌ケ谷市(1R 61,150円・負担率21.4%)です。 家賃が安くても、住民の平均所得がそれ以上に低いため、比率では軽くなりません。 こうした街は「その街で働き、その街の水準の所得で暮らす」場合には、家賃の安さほど楽にはならない可能性があります。

逆に、家賃は中央値より高いのに負担率は中央値より軽い街もあります(習志野市 18.4%、鎌倉市 19.2%、浦安市 19.5%、さいたま市 19.5%)。 住民の平均所得が高く、家賃の高さを上回っているためです。ただしこれは「その街の平均的な所得の人にとって」の話で、 平均より低い所得で移り住むと負担はこの数字より重くなります。

参考までに、東京23区の負担率の中央値は22.1%です。 近郊51市の中央値(19.6%)はこれより2.4ポイント低く、比率で見ても近郊のほうが軽い側にあります。 ただし戸田市・川口市・朝霞市の3市は、23区の中央値より負担率が重くなっています。 また、23区で最も負担率が軽い渋谷区(14.6%)は、近郊で最も軽い木更津市(17.1%)よりさらに軽い数字です。これは住民の平均所得が非常に高いためで、平均的な会社員の負担が軽いという意味ではありません。

負担率の考え方と「家賃は手取りの3割」との関係は 「家賃は手取りの3割」は本当に正しいのかで詳しく扱っています。

東京都内の「23区の外」——多摩地域の市とも比べる

「東京近郊」には、県境を越えずに済む多摩地域の市も入ります。東京都の23区外の市のうち人口10万人以上で、1R家賃のデータがある 17市を同じように並べました。

多摩地域の市の1R平均家賃(安い順・人口10万人以上)
順位 市 1R平均家賃 負担率
1 青梅市 51,104円 18.5%
2 昭島市 57,926円 19.4%
3 多摩市 57,947円 17.6%
4 八王子市 59,362円 19.1%
5 東村山市 60,266円 19.6%
6 町田市 61,189円 17.9%
7 小平市 62,450円 18.2%
8 日野市 64,203円 19.5%
9 東久留米市 64,652円 20.3%
10 立川市 67,937円 20.6%
11 西東京市 71,094円 20.6%
12 小金井市 71,845円 18.3%
13 府中市 72,641円 20.8%
14 国分寺市 78,134円 20.0%
15 調布市 78,801円 21.0%
16 三鷹市 83,630円 20.6%
17 武蔵野市 91,615円 18.9%

多摩の17市の中央値は64,652円で、 最も安い青梅市(51,104円)から 最も高い武蔵野市(91,615円)まで幅があります。 23区の中央値より月26,668円、年間で約32万円安い水準です。

近郊3県の89件の中央値(64,627円)と比べると、多摩の中央値は ほぼ同じ水準です。家賃だけで見れば、「都内に残るか、県境を越えるか」はあまり差を生みません。 多摩で最も安い青梅市を近郊3県の一覧に入れると、90件中10位に相当します。

23区で最も安い足立区(67,137円)より安い多摩の市は17市中9市でした。 負担率の中央値は19.5%です。 多摩地域の市は政令市ではないので、区に分けずに市単位の数字で比べています。

通勤時間はどう織り込むか——自分で当てはめる計算式

郊外の家賃が安いのは、多くの場合、都心までの時間と引き換えです。ただし正直に書いておくと、 街くらべは駅や通勤時間のデータを持っていません。どの街から都心まで何分かかるかは、 勤務先と最寄り駅、使う路線で人によってまったく違うためです。そこで、ここでは家賃差(実データ)と通勤時間(あなたの数字)を組み合わせる式だけを示します。

通勤が1時間延びるごとに、家賃がいくら下がるか

1時間あたりの家賃節約額 = 月の家賃差 ÷(片道で増える分数 × 2 × 月の出勤日数 ÷ 60)

この金額が、自分にとっての「1時間の価値」(たとえば時給換算の手取り)より安いなら、自分の時間を割安で手放して家賃を下げていることになります。高いなら、通勤が延びても家賃の節約のほうが上回ります。

計算の例として、23区中央値と各県の中央値の差(実データ)に、片道の通勤が15分・30分・45分延び、月20日出勤するという 仮の条件を当てました。分数と出勤日数は例示のための仮定で、データではありません。

通勤1時間あたりの家賃節約額(家賃差は実データ/延びる分数・月20日出勤は仮定)
23区中央値 → 県の中央値 月の家賃差 片道+15分片道+30分片道+45分
千葉県 29,852円 2,985円/時1,493円/時995円/時
埼玉県 28,032円 2,803円/時1,402円/時934円/時
神奈川県 22,514円 2,251円/時1,126円/時750円/時

同じ家賃差でも、通勤が延びる時間が倍になれば1時間あたりの節約額は半分になります。 一覧で家賃が安い街を見つけたら、勤務先までの実際の所要時間を乗換案内で調べ、この式に入れてみてください。 出社が週に何回かで判断が変わる場合の考え方は、 出社頻度と住む場所の記事で「出社1回あたりの値段」として扱っています。

また、通勤時間が延びると定期代も変わります。会社が全額支給するなら家計には響きませんが、上限がある場合や自己負担の場合は、 月の家賃差から定期代の増分を差し引いてから式に入れるのが正確です。

この記事のデータで分からないこと

  • ● 通勤時間・駅からの距離。上で書いたとおり、データを持っていません。同じ市区町村でも、駅前とバス便のエリアでは家賃も通勤時間も大きく違います。
  • ● 1R以外の間取り。ここでの家賃は1R(ワンルーム)の平均だけです。ファミリー向けの間取りでは、街どうしの差の開き方が変わる可能性があります。
  • ● 物件の中身。平均値なので、築年数・広さ・駅徒歩が均されています。安い街の物件が広いのか古いのかは、この数字からは分かりません。
  • ● 政令市の区の負担率。区ごとの所得データが無いため、区単位の家賃負担率は出していません。負担率の表の政令市は市全体の数字です。
  • ● あなた自身の負担率。平均課税対象所得はその街に住む納税者全体の平均で、手取りとも一致しません。自分の所得で割り直して初めて、自分にとっての重さが分かります。

この一覧は「どこを候補にするか」を絞るための地図として使い、そこから先は駅・物件の単位で確かめてください。 候補にした街の家賃以外の指標(保育所・医療機関・人口の推移など)は、表の街名から各市区町村のページで確認できます。

この記事の数字について(使用データ・算出方法)

出典
  • 民間賃貸物件データに基づく1R(ワンルーム)平均家賃
  • 総務省「市町村税課税状況等の調」(平均課税対象所得 = 課税対象所得 ÷ 所得割納税義務者数)
  • 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(人口)
算出方法
  • 近郊3県は神奈川県・埼玉県・千葉県。政令指定都市は市全体の行を除き、区を1件として数えた(市全体と区の二重計上を避けるため)。人口下限は区にも同じく適用
  • 23区は市区町村コード13101〜13123の特別区。比較の基準は23区の1R家賃の中央値
  • 中央値は対象の値を昇順に並べた中央の値(件数が偶数のときは中央2つの平均)
  • 家賃負担率 = 1R平均家賃 × 12 ÷ 平均課税対象所得 × 100。区に所得データが無いため市単位とし、政令市は市全体の行を使用。所得データの無い行は除外
  • 順位相関はスピアマンの順位相関係数(家賃・所得は分布が歪んでいるため)
  • 多摩地域は東京都の市区町村コード13201以上の市のうち人口10万人以上
  • 通勤1時間あたりの家賃節約額 = 月の家賃差 ÷(片道の増加分数 × 2 × 月の出勤日数 ÷ 60)。分数(15・30・45分)と月20日出勤は例示のための仮定で、通勤時間のデータは使っていない
集計対象
神奈川・埼玉・千葉の人口10万人以上で1R家賃データがある89市区町村(政令市の区42件を含む)。家賃負担率の節は同3県の51市、多摩地域は17市、比較の基準は東京23区。

本文中の順位・平均値・相関係数は、街くらべが保有する全国1,917市区町村のデータベースから ページ表示時に算出しています。 東京都特別区部(23区の合計値を持つ集計行)は二重計上を避けるため全ての集計から除外しています。 元データに欠損がある市区町村は、その指標の集計から除外されます。

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